製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬業界や企業について紹介しているブログです。製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方の目線で解説しています。

【業界研究】国内の大手製薬会社 まとめ

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医薬品業界は病院や薬局で処方される「医療用医薬品」とドラッグストアなどで購入する「一般用医薬品」、原料などの「その他」に大別できます。そして、2019年度の各分類ごとの売上高を比較すると「医療用医薬品」が医薬品業界の92%を占めており、多くの人に馴染みのある「一般用医薬品」については全体の6%のシェアとなっており、「医療用医薬品」の市場は大きいことが分かります。

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製薬会社比較

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国内製薬会社の2020年度売上高上位5位までを上記にまとめました。(武田薬品アステラス製薬第一三共は2020/4/1~2021/3/31、大塚HD中外製薬は2020/1/1~2020/12/31)

武田薬品は世界でトップ10、大塚HDアステラス製薬が世界トップ20前後に位置しています。

 

次に各社の特徴を見ていきましょう。

 

武田薬品

武田薬品は医療用医薬品に特化した製薬会社です。一般用医薬品の「アリナミン」などCMを通して武田薬品の名前は広く知られてきましたが、2020年に一般用医薬品を扱う武田コンシューマーヘルスケアを外資系ファンドに売却しました

武田薬品は1781年に創業し、「アリナミン」などのビタミン剤を中心に戦後の日本と共に成長してきました。その後、一年で1000億円以上の売上を持つブロックバスターと呼ばれる医薬品として、前立腺癌治療薬「リュープリン」や消化性潰瘍治療薬「タケプロン」、高血圧治療薬「ブロプレス」、糖尿病治療薬「アクトス」などを開発し、国際的な製薬会社に大きく成長しました。2000年以降は世界有数のバイオ医薬品企業であったミレニアム社やバイオ医薬品のグローバルリーディングカンパニーであるシャイアー社などを買収し、世界トップ10まで成長しています。

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大塚HD

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大塚HDは医薬品を扱う「大塚製薬」や「大鵬薬品」、食品を扱う「大塚食品」、その他にも機能化学品や電子機器を扱う会社のように様々な分野を扱っています。実際、大塚HDは「医療関連事業」、「ニュートラシューティカルズ関連事業」、「消費者関連事業」、「その他の事業」とセグメントを分けています。2020年度のセグメント別売上は上記のグラフのようになっています。国内で「医薬関連事業」を扱っている会社は大塚製薬大塚製薬工場大鵬薬品工業、イーエヌ大塚製薬、ジェイ・オー・ファーマとなっています。

単体で見ると、2020年度の売上は大塚製薬が5,547億円、大鵬薬品工業が1,401億円と公表しています。

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アステラス製薬

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アステラス製薬は医療用医薬品に特化した製薬会社です。2005年に山之内製薬と藤沢薬品が合併し発足しました。2020年度の売上高は12,495億円と国内二位となっています。

アステラス製品の主力製品であるイクスタンジは2020年度に総売上高の37%である4,584億円の収益を上げています。イクスタンジはMedivation社が創製した医薬品で2009年にアステラス製薬がライセンス契約を締結し、共同で世界における開発・商業化を進めてきました。(Medivation社は2016年にファイザー社に買収されました。)

ミラべグロンは一般名でアステラス製薬が創製した選択的β3アドレナリン受
容体作動薬です。日本ではベタニス、米州ではミラベトリック、欧州とアジア・オセアニア地域ではベットミガの製品名で発売しており、2020年度はアステラス製薬がの13%の売上を占めています。

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第一三共

医療用医薬品を扱う第一三共一般用医薬品を扱う第一三共ヘルスケアジェネリック医薬品を扱う第一三共エスファなど医薬品産業に対してあらゆる角度から事業を展開しています。

研究開発力も高く、2020年に日本で承認取得した「エンハーツ」は抗体薬物複合体(ADC)と呼ばれるモノクローナル抗体と低分子医薬が結合した構造を有する医薬品であり、第一三共によって創製されました。第一三共は「エンハーツ」をはじめとして、「がん」を研究開発の重点領域と定めており、今後も集中投資を続けてるとしています。

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中外製薬

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中外製薬は医療用医薬品に特化した製薬会社です。2002年にスイスのロシュ社と戦略的アライアンスを締結し、成長を続けています。戦略的アライアンスによってロシュ社製品の国内独占販売やロシュ社を通じた自社製品のグローバル展開ができるようになりました。ロシュ社は2020年度で世界売上トップとなっており、中外製薬はこの恩恵を大きく受けています。

2020年度の業績をみると、国内製商品売上高が52%、海外製商品売上高が28%となっています。国内製商品売上高は中外品とロシュ品の売上、海外製商品売上はロシュ向けの輸出ということになっており、国内は中外製薬、海外はロシュ社への導出と分かりやすい戦略となっています。

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