製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬業界や企業について紹介しているブログです。製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方の目線で解説しています。

【製薬会社 企業研究】東和薬品株式会社

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東和薬品株式会社(以下、東和薬品)は1951年6月1日に創業し、ジェネリック医薬品の専業メーカーとして成長してきました。2020年10月1日現在、3,243名の従業員が所属しています。

 

東和薬品のグループ会社(一部)

ジェイドルフ製薬(株):医療用医薬品の製造販売を主要な事業としています。

大地化成(株):医薬品原薬・中間体の研究開発及び製造販売を主な事業としており、東和薬品にも原薬を提供しています。

グリーンカプス製薬(株):2016年に株式会社三協と東和薬品が設立した合弁会社であり、ソフトカプセル製造を事業としています。静岡県富士宮市の静岡工場を建設し、2020年2月から本格稼働しました。

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1. 業績

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2015年度から5年間の売上高、営業利益、営業利益率をまとめました。成長を続けており、2018年度には売上高が1000億円に到達しました。2019年度は4成分7品目の販売開始、「東和式販売体制」も定着したことで売上高が増加しました。さらに、スペインのPensa Investments, S.L.(以下、ペンサ)を買収し、欧米のジェネリック市場同時進出を実現しました。

 

2. 東和式販売体制

日本での一般的な医療用医薬品流通経路として製薬企業→医薬品卸→医療機関→患者さんという流れになっています。一方、東和薬品は上記の流通経路に加え、東和薬品医療機関→患者さんという「直販体制」をとっています。

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「直販体制」では医薬品卸を通していないため、医薬品の価格を製薬企業は高く、医療機関は安くできるため、ウィンウィンの関係と言えます。ただし、製薬企業は全国の医療機関に情報供給や流通機能が必要であり、東和薬品は2020年度3月末時点で72の営業所を有しています。

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3. 戦略

国内医薬品事業

上記の「東和式販売体制」や「医薬品の安定供給」に取り組んでいます。

製品品質の進化

東和薬品は製剤技術の発展にも取り組んでおり、「RACTAB技術」の発明や「有効成分の安定化技術」「新たな結晶化技術」「連続生産プロセス」の確立をおこなっています。

RACTAB技術:東和薬品が開発したOD錠製造技術です。通常のOD錠では錠剤の崩壊を速やかにするため、硬度が低くなっています。しかし、硬度が低いと包装工程で錠剤が壊れてしまうこともあり、扱いにくいとされています。東和薬品のRACTAB技術は、普通の錠剤と同様に扱うことが出来ます。

参考:水なしでも飲める薬(RACTAB技術) | 東和薬品

 

新たな結晶化技術:東和薬品はグループ会社に原薬を扱う会社を有しています。そのため、独自に原薬の結晶形や粒度などをコントロールすることができます。

参考:原薬 | 東和薬品

新規市場・新規事業

新規市場として2020年1月にペンサを買収し、欧米市場に進出しました。

また、新規事業として2019年10月にユニバーサル・サウンドデザイン(株)の高齢者向けの対話型支援機器「comuoon(コミューン)」の販売を開始しました。

 

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