日本たばこ産業株式会社(以下、日本たばこ産業)は1985年創業で、名前にもある通り「たばこ製品」の販売を主要な事業としている会社です。2019年12月31日現在、従業員は連結ベースで61,975人、単体ベースで7,464人となっています。
日本たばこ産業のグループ会社(一部)
鳥居薬品株式会社(以下、鳥居薬品):医薬品の製造、販売及びプロモーション機能を担っています。
その他にもグループ会社がありますが、医薬事業以外(たばこ事業、加工食品事業)を担っている会社です。
日本たばこ産業のビジネスモデルは「導出ビジネス」となっています。国内市場の場合、基礎研究から承認申請までが日本たばこ産業、製造から販売・プロモーションは鳥居薬品がおこなっています。海外市場の場合、基礎研究・非臨床試験が日本たばこ産業、臨床試験を米国のグループ企業であるアクロスファーマ社、それ以降は導出先で実施します。
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1. 業績
日本たばこ産業の2015年度から5年間の売上高、営業利益、営業利益率です。5年間の売上高、営業利益率を見ると安定しています。
日本たばこ産業の医薬事業の売上高、調整後営業利益をまとめました。調整後営業利益とは営業利益(損失)から買収に生じた無形資産に関わる償却費、調整項目(収益及び費用)を除いたものです。2018まで事業の成長が続いていましたが、2019年度で売上が大きく減少しました。この減少はGolead社の抗HIV薬6品の国内におけるライセンス契約解消が大きく影響しています。ただし、2019年1月1日に契約が終了しましたが、ギリアド・サイエンシズ(株)への製造販売承認の承認が完了した2019年12月1までは抗HIV薬6品を日本たばこ産業が購入し、鳥居薬品が日本国内における販売元として流通を担っていました。
2. 製品
日本たばこ産業の主力製品一覧を上記に記載しました。主力製品はリオナ、レミッチの二製品であり、レミッチは後発医薬品が参入しています。
日本たばこ産業の売上の多くは鳥居薬品によるものです。そこで、日本たばこ産業が製造販売元となっている製品を上記にまとめました。製造販売元となっている製品は上記の3品に加えて、2020年9月を承認を受けたエナロイのみとなっています。1987年に医薬事業に参入して以来、ようやく花が開いてきたといえます。
3. パイプライン
日本たばこ産業の国内開発品一覧です。2020年に発売したコレクチムの適応拡大等での開発と新規化合物があります。海外でのパイプラインも豊富で今後の医薬事業が期待されます。
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4. 拠点
日本たばこ産業の医薬事業の拠点は2か所となっています。
・医薬事業部本社
医薬事業部本社は鳥居薬品のビルを一部使用しています。
・医薬総合研究所
医薬総合研究所は約600名が所属する大きな研究所となっています。
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