日本新薬は株式会社(以下、日本新薬)は1919年創立の京都に本社を置く製薬会社です。日本新薬は国産初の核酸医薬品「ビルトラルセン」を2020年に発売しました。2020年3月末現在、従業員は2,059名です。
日本新薬の国内グループ会社
シオエ製薬(株):医療用医薬品、殺菌消毒薬、局方医薬品及び機能食品の製造をおこなっています。
田島食品工業(株):医薬品原薬や健康食品素材となる植物エキスの製造や粉体混合による粉末たん白製剤や食品添加物製剤の製造をおこなっています。
スポンサーリンク
1. 売上情報
2015年度から6年間の売上高、営業利益、営業利益率をまとめました。日本新薬はここ6年間で売上高、営業歴を伸ばしており確実に成長していることがわかります。この成長には「ウプトラビ」、「ザルティア」、「ビダーザ」の国内売上に加えて「ウプトラビ」のロイヤリティー収入と「オプスミット」の共同販促収入が大きく寄与していると考えられます。
日本新薬の地域別による売上高の割合を示しました。日本が80.3%、次いでスイスが19.1%でした。スイスの割合が大きくなっているのは「ウプトラビ」でスイスのアクテリオンファーマシューティカルズ社からロイヤリティを受け取っているためです。
セグメント別による売上高の割合を示した結果、医薬品が88.9%、機能食品が11.1%となっています。
日本新薬は「医薬品事業」として主に泌尿器系治療薬、血液がん治療剤、難病・希少疾患治療剤、婦人科系治療剤を生産・販売、「機能食品事業」として主に健康食品素材、品質安定保存剤、プロテイン製剤、サプリメントを生産販売しています。
3. 製品
日本新薬の主力製品一覧です。主力製品で再審査期間が終了したものは「ザルティア」と「シリアス」のみです。この二製品の後発品は発売されていますが、他の製品については再審査期間が終了していないこともあり、売上高が急落する可能性は少ないでしょう。
ここ5年間で薬価が収載された日本新薬の製品一覧です。2020年に承認された「ビルテプソ」は国産としては初となる核酸医薬品であり、先駆け審査指定制度の対象に指定されていました。
4. パイプライン
日本新薬のパイプライン一覧です。適応追加として1製品、新規化合物として5製品の開発をおこなっています。近年に申請された製品とパイプラインから、日本新薬は新薬の開発能力が高い会社であることがわかります。
スポンサーリンク
5. 採用・勤務地
日本新薬は2021年度の新卒採用で医薬品研究職、臨床開発職、MSL職/学術職、MR職、商品企画職、コーポレートスタッフ職を募集していました。
MR職は全国の各事業所配属、MSL職/学術職は本社または全国の主要支店配属です。
・本社、研究所
本社および研究施設があり、約800名の従業員が働いています。医薬品研究職、臨床開発職、コーポレートスタッフ職、食品企画職が配属される候補地です。研究所では主に低分子医薬品の探索研究や非臨床の安全性や体内動態の研究、原薬合成、製剤検討および品質評価を行っています。
・東京支店
東京支社は臨床開発職、コーポレートスタッフ職、食品企画職の配属候補地であり、約200名の従業員が所属しています。
・東部創薬研究所
東部創薬研究所は医薬品研究職の配属候補地です。核酸合成や配列設計などの基盤技術を生かした創薬研究をおこなっています。
・小田原総合製剤工場
小田原総合製剤工場では一般固形製剤、高生理活性固形製剤、注射剤と多岐にわたった剤形を製造している工場です。
★医薬品業界を詳しく知りたい方におすすめ★
![]() |
最新医薬品業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本第6版 荒川博之 秀和システム 2019年09月 売り上げランキング :
|
スポンサーリンク