Meiji Sika ファルマ株式会社(以下、Meiji Seika ファルマ)は1916年に設立し、お菓子やアイス、乳製品等で有名な株式会社明治と同じ明治グループに属する製薬企業です。「明治」と聞くと食品部門のイメージが強いですが、医薬品事業でも日本で初めて抗生物質"カナマイシン"を開発しているなど実績をもった会社です。2021年3月31日現在、従業員は連結グループ会社を含んで5,951名です。
Meiji Seika ファルマのグループ会社(一部)
Me ファルマ(株):ジェネリック医薬品の製造販売会社です。Meファルマ(株)ではメドライク Limitedの日本向け専用ラインで医薬品を製造し、Meiji Seika ファルマ小田原工場で最終確認をし、市場出荷する形態をとっています。
北里薬品産業(株):主にヒト用ワクチン類の販売をおこなっています。現在、第一三共(株)が製品販売元であり、製品供給を受けて販売しています。
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1. 売上
上記に示しているのは明治ホールディングスの売上高です。明治ホールディングスの売上を見ると製薬企業大手であるアステラス製薬などに匹敵するレベルというのが分かります。
次にMeiji Seika ファルマの6年間の売上推移を示しています。2020年度は新型コロナウイルス流行によって医療受診者が減少したため、抗菌薬「メイアクト」やジェネリック医薬品が大幅な減収となりました。
上記はセグメント別売上を示しています。ヒト用ワクチンは主にKMバイオロジクスが担っています。KMバイオロジクスは旧一般財団法人化学及血清療法研究所(化血研)のことであり、「ヒト用ワクチン」の他、「動物用ワクチン」や「血漿分画製剤」を扱っています。化血研時代に不正製造・出荷停止問題が発生しました。しかし、化血研は日本での数少ないインフルエンザ等のワクチン製造をしていることもあり、2018年に明治ホールディングスの傘下に入ることで生まれ変わりました。
海外市場の方針としてはインドのメドライクにおけるCMO/CDMO事業の拡大とASEAN・欧州での事業強化があります。
2. 製品
Meiji Seika ファルマの国内主要製品の売上をしめしています。インフルエンザワクチンはKMバイオロジクス買収により獲得した製品、タゾピペはジェネリック医薬品です。上記を見ると新薬等の一製品に売上が偏っていることもなく、収益の分散化が出来ていると考えられます。
具体的な2020年度の売上高として、新薬(ビラノア、シクレスト、リフレックスなど)が656億円、ジェネリック医薬品が436億円となっています。
Meiji Sika ファルマの5年間に薬価収載されたクスリの一覧です。リフレックスは規格追加として、エクフィナは新薬として収載されていますが、現在はエーザイに継承されました。
3. パイプライン
Meiji Seika ファルマのパイプライン一覧です。Me2112は2020年9月に主要項目が達成できなかったと報道されています。(参考:https://www.yakuji.co.jp/entry74437.html)
DMB-3111はバイオシミラーであり、Meiji Seika ファルマ(株)はバイオシミラーにも参入していることが分かります。
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4. 採用・勤務地
Meiji Seika ファルマで2021年度新卒採用で募集していた職種は技術系で研究職(医薬)、開発職(医薬)、研究開発職(農薬)、生産技術、信頼性保証、営業・管理系でMR、農薬営業、動物営業、コーポレートスタッフでした。
・本社
本社は東京にあり、株式会社明治と同じ建物です。
・横浜研究所
横浜研究所には医薬研究所、製薬研究所、生物産業研究所があります。
・足柄研究所
足柄研究所は製薬技術研究所、バイオサイエンス研究所があります。
・小田原工場
小田原工場は製剤工場となっています。また、ジェネリック医薬品ではインドのメドライク社で製造された製剤を包装しています。
・岐阜工場
岐阜工場は原薬製造をおこなっています。
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