参天製薬株式会社(以下、参天製薬)は1925年設立した眼科領域に特化した製薬企業です。2021年3月31日現在、従業員は連結ベースで4,229名です。
参天製薬の国内グループ会社
(株)クレール:クリーニング業を主要な事業内容としており、参天製薬から無塵、無菌服のクリーニングを委託されています。
参天ビジネスサービス(株):間接サポート業務を主要な事業内容としています。
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1. 業績
2016年度から5年間の売上高、営業利益、営業利益率を示しています。5年間の売上高を見ると毎年上昇していることから、成長し続けていることが分かります。
参天製薬の2020年度セグメント別売上をまとめました。「サンテ」や「ヒアレインS」などテレビCMで見ることがありますが、一般用医薬品は全体のわずか3.8%しかなく、全体の94.0%は医療用医薬品が占めています。
2020年度における地域別売上を表示しました。参天製薬は日本市場が68%と最も高く、中国が9%、アジアが7%、EMEA(欧州、中東及びアフリカ)が15%となっており、米国市場は1%となっています。2020年にはEyevance 社を買収し米国市場での事業展開の基盤を構築しました。また、中期経営計画では2025年までに「真のグローバル医薬企業への変革」を図るとしています。
2. 製品
参天製薬の主要製品の売上をまとめました。最も高いのはアイリーアの645億円で次いでアレジオンの327億円、ジクアスの123億円です。アイリーア、アレジオンの売上が全体の売上の35%以上となっています。
アイリーアの一般名はアフリベルセプト(遺伝子組換え)でありバイエル薬品を製造販売元とするバイオ医薬品です。アレジオンはアレルギー、ジクアスはドライアイに対するクスリとなっており、目薬では欠かせない存在です。
ここ5年間に薬価が収載された医薬品一覧です。参天製薬は眼科領域を得意としていており、導入品であっても競合他社が少なく、売上を見込むことができます。
3. パイプライン
参天製薬のパイプライン一覧です。自社開発品も含め開発が進んでいます。既存製品についても患者さんのQOL向上を目指し、製剤化技術を駆使した防腐剤フリー製剤の開発やDDS(ドラッグデリバリーシステム)の活用、容器の改良をおこなっています。容器の改良として、持続可能資源であるバイオマス資料を原料としたバイオマスプラスチック素材の点眼ボトルを導入することを発表しました。(https://assets.minkabu.jp/news/article_media_content/urn:newsml:tdnet.info:20200427400303/140120200427400303.pdf)
研究分野では、奈良研究開発センターに基礎研究、非臨床研究、製剤研究の各機能を集約することで、より良い製品の創出を目指しています。
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4. 採用・勤務地
2021年度の新卒採用では営業職、品質管理の職種が募集されていました。
営業職は全国の営業所配属です。
・能登工場
能登工場には約300名の従業員が働いており、品質管理職の方が配属される候補地です。
・滋賀プロダクトサプライセンター
滋賀プロダクトサプライセンターは2022年に第三棟の施工が発表された工場です。こちらも品質管理職の配属予定地です。
その他の拠点として奈良研究開発センター(奈良県)、梅田オフィス(大阪)、下新庄オフィス(大阪)があります。
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