2021/08/19/003800
小野薬品工業株式会社(以下、小野薬品)は1947年設立の製薬会社です。本庶佑先生がノーベル賞を受賞するきっかけとなった「オプジーボ」を販売していることで有名な会社です。近年では2016年に研究棟、2018年に東京ビル、2019年に山口工場を建設しており、積極的な設備投資がおこなわれています。2021年3月31日現在、従業員は連結ベースで3,319名、単体ベースで3,607名所属しています。
東洋製薬化成(株):医療用医薬品および局方品の販売をしています。小野薬品は東洋製薬化成の株を50%以下の45.5%にとどまっていますが、実質的に支配しているため、子会社としています。
ビーブランド・メディコーデンタル:歯科領域における医薬品、予防用品の開発及び販売をしています。
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1. 業績
2015年度から6年間の売上高、営業利益、営業利益率を示しました。小野薬品の売上高が年々上昇しており、成長していることがうかがえます。2015年度から大きく成長した2016年度は845億円売上高が上昇しており、オプチーボの売上が828億円増加したことが影響しています。
2020年度の地域別売上を示しました。東京が69%、米州28%、アジア2%、欧州1%と日本が売上の大部分を占めていることが分かります。米州の28%は米国のブリストル・マイヤーズ・スクイブ社からのロイヤルティ収入が大きく占めています。
また、2020年度の売上収益の内訳を示しました。製品商品が69%占めており、ロイヤルティ・その他が31%占めています。
2. 製品
小野薬品の2020年度主力製品売上を示しています。オプジーボが1000億円近く売り上げており、小野薬品の売上の約3割を占めています。小野薬品グループで見ると、「オプジーボ」や「抗PD-1抗体関連のロイヤルティ」の売上収益は売上収益合計の6割(2020年度)を占めています。
その他に100億円以上売り上げている製品として、フォシーガ、グラクティブ、オレンシアがあります。ジェネリック医薬品の参入もないことから、これらの医薬品は数年間、安定して稼ぐことが出来るでしょう。
ここ5年間で薬価収載された新医薬品の一覧です。ここ5年間は毎年、新薬が発売されています。自社創薬品もありますが、導入品が多い印象です。これらの導入品はグローバルと同時に開発を進めたのもありますが、海外で承認されているクスリを導入し、臨床開発を進め、承認取得をしたものが多くあります。
オプジーボのように巨額の売上が期待できる新薬の開発も重要ですが、薬価を下げないための戦略に取り組むことが重要です。
4. パイプライン
小野薬品のパイプラインをまとめました。小野薬品が最も売り上げているオプジーボは適応拡大を進めています。さらに、併用用法ということでオプジーボを活かした研究開発も進められています。
がん領域以外では、新薬の開発がP1で開発が進んでいるものは少ないです。しかし、小野薬品は積極的に他社から導入をしていることから、今後ラインナップが増える可能性は高いでしょう。
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5. 採用・勤務地
小野薬品の2021年度新卒採用はMR職、開発職、生産技術職、PV職、MA職を募集していました。
MR職は全国の営業所の配属となります。
・本社
本社は700名以上の従業員が所属しており、開発職、PV職、MA職の配属候補地です。
・本店
登記上ではこちらの本店が登録されていますが、実際の本社機能は上記の本社にあると考えてよいでしょう。PV職が配属される可能性があります。
・東京ビル
東京ビルは2018年度にビルが完成しました。300名ほどの従業員が働いており、開発職の配属候補地です。
・フジヤマ工場
フジヤマ工場は注射剤の製造設備も兼ね備えた工場です。従業員は約100名で、生産技術職の配属候補地です。
・山口工場
山口工場は2019年に施工された新しい工場です。こちらも生産技術職の配属候補地です。
研究所は水無瀬研究所、福井研究所、筑波研究所の三か所あり、水無瀬研究所はPV職の配属候補地です。
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