協和キリン株式会社(以下、協和キリン)はキリンホールディングスの子会社で、2008年に旧キリンファーマと協和発酵が合併して協和発酵キリンが発足しました。2019年に協和発酵キリンから協和キリンへ社名が変更しました。2019年12月31日現在、従業員は連結ベースで5,267人となっています。
協和キリンのグループ企業(一部)
協和キリンプラス(株):請負業や卸小売業及び保険代理業を主な事業としておこなっており、これらは協和キリン(株)より委託されています。
協和キリンフロンティア(株):医療用医薬品の製造販売を担っています。
協和キリン富士フィルムバイオロジクス(株):バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売をおこなっています。協和キリン(株)と富士フィルム(株)の両社折半出資による合弁会社です。
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1. 売上情報
2016年度から4年間の売上高を記載しました。協和キリンは事業活動による経常的な収益性を示す段階利益として「コア営業利益」を使用しています。「コア営業利益」の算出方法は「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えたものです。
2019年4月にバイオケミカル部門を担う協和発酵バイオの株式を親会社に95%譲渡しました。そのため、2019年度の決算よりバイオケミカル部門の決算情報がなくなっています。
上記の点を踏まえると、売上高は4年間安定しつつも、コア営業利益が成長していることが分かります。バイオケミカル部門の売却も新薬に集中投資できるという点でプラスに働くのではないでしょうか。
2019年度の地域別売り上げを示しました。協和キリンは日本市場が61%と半数以上を占めており、米国と欧州は16%、14%と同水準であることがわかります。残りはアジアの9%となっています。
2018年に発売したCrysvita(北米:251億円、欧州他:74億円)やPoteligeo(米国:108億円)、2019年にはNourianzは米国承認を取得しており、海外事業が順調に成長しています。
2. 製品
協和キリンの主要製品の売上をまとめました。協和キリンはバイオシミラーにも参入しています。また、日本初のバイオ医薬品のAGであるバイオセイムとして、ネスプAGを発売しました。リツキシマブBSも100億円近く売り上げており、かなり高水準であることが分かります。
ここ5年間で新たに薬価収載された医薬品をまとめ、新薬が2種類、規格追加が1種類という結果になりました。
協和キリン(株)は主要製品、新製品共にバイオ医薬品に力を入れている印象です。バイオ医薬品は単価が高く、売上高も大きくなります。今後、協和キリン(株)の売上高は上昇していく可能性があります。
3. パイプライン
協和キリン(株)の日本市場のパイプライン一覧です。自社開発品と導入品のバランスも良く、開発されています。研究職、開発職として就職した際もやりがいをもって働けるでしょう。
上記にも記載しましたが、協和キリンの特徴となっているのがバイオ医薬品の多さです。自社開発品としてもバイオ医薬品があることから基礎研究から力を入れていることが分かります。
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4. 採用・勤務地
協和キリン(株)は2021年度新卒採用で研究職、開発職、MR職、コーポレートスタッフ職を募集していました。
MR職は全国の営業所に配属されます。
・本社
本社には開発職、コーポレート職が配属される予定です。本社は約900名の従業員が働いています。
・東京リサーチパーク
東京リサーチパークは約150名の従業員が働いており、研究職の配属候補地です。
・富士リサーチパーク/CMC研究センター
基礎研究とCMCの研究所が併設されています。基礎研究では約300名、CMC研究としては約150名が働いています。
・バイオ生産技術研究所
バイオ生産技術研究所は約100名の従業員が働いており、バイオ医薬品の研究後期(スケールアップ等)を業務としていると考えられます。また、工場が併設されていることから協力した業務もおこなわれているでしょう。
また、協和キリングループとして宇部に工場を所有しております。
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