製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬業界や企業について紹介しているブログです。製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方の目線で解説しています。

【製薬会社 企業研究】塩野義製薬株式会社

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塩野義製薬株式会社(以下、塩野義製薬)は1978年に創業し、感染症治療薬を通じて発展してきました。近年では従来とは作用機序の異なるインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の承認を取得し話題になりました。現在は重点研究領域として「感染症」「精神・神経疾患」「新たな成長戦略」に取り組んでいます。2020年3月31日現在、従業員は5,222名(連結)です。

 

塩野義製薬のグループ会社(一部)

シオノギヘルスケア(株):「セデス」などCMでおなじみの一般用医薬品を主に扱っています。従業員は約100名です。

シオノギテクノアドバンスリサーチ(株):研究支援系のグループ会社であり、約250名の従業員が所属しています。

(株)UMNファーマ:バイオ医薬品の研究・開発・製造・販売を事業内容としており、塩野義製薬(株)が2019年12月買収しました。

 シオノギファーマ(株)塩野義製薬(株)の原薬・製剤の製造を担っている会社です。1つの研究拠点、3つの生産拠点で約1300名の従業員が所属しています。

 

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1. 業績

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2015年度から5年間の売上高、営業利益、営業利益率を示しています。塩野義製薬の年間売上高は3000億円程度となっています。営業利益率は30%~40%とかなりの高水準であることが分かります。

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2019年度の地域別売上を記載しました。日本は38%、欧州は53%(イギリスが欧州の88%)、北米が3%(アメリカが北米の約100%)を占めています。ただし、下記の表から海外売上の大部分がロイヤリティー収入であることが分かります。このロイヤリティー収入はヴィーブ社(イギリス)に導出した抗HIV薬が1,281億円であり、塩野義製薬はこの収益に大きく影響を受けています。

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2. 製品

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塩野義製薬の主力製品と2019年度の売上を記載しました。抗インフルエンザ薬のゾフルーザは、2019年度は新型コロナウイルスによる感染症対策の強化が起こったため、インフルエンザの流行が穏やかになり、売上が予測よりも大幅減となりました。サインバルタが2020年に再審査期間が終了するため、特許に問題がなければジェネリック医薬品が参入してきます。その際は塩野義製薬の売上に影響するでしょう。

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ここ5年で上市した商品をまとめました。塩野義製薬は5年間で3製品上市していおり、そのうち2製品が自社創薬品です。自社創薬品を2つも出しているということで、塩野義製薬の研究開発力はかなり高いと思われます。

 

3. 特徴

塩野義製薬の特徴は研究開発力です。ここ5年で2つの製品を上市しています。また、塩野義製薬HIV製品のロイヤリティー収入が売上収益の49%(2019年度)を占めています。ジェネリック医薬品の参入や販売中止などが起こると大きく業績に影響を与えることが考えられます。現在、HIVの特許切れは2028年あたりと予測されており、それまでに次なる製品が求められています。

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4. 採用・勤務地

塩野義製薬では2021年度の新卒採用で創薬研究職、CMC研究職、臨床開発職、臨床薬理職、開発薬事職、統計解析/データサイエンス職、MR職、ファーマコビジランス職、各種コーポレートスタッフ職が募集されていました。

MR職は全国の営業所に所属します。

・本社

本社は大阪にあり、ここは開発職、臨床薬理職、開発薬事職、信頼性保証職、ファーマコビジランス職、各種コーポレートスタッフ職が配属されます。

大阪のオフィスは3か所(梅田オフィス、医薬事業本部オフィス、淀屋橋オフィス)があるので本社に加えこちらにも配属される可能性があります。

・東京支店

 東京支店は開発職、臨床薬事職の配属候補地です。

・医薬研究センター

医薬研究センターは塩野義製薬(株)メインの医薬品研究所です。約600名の従業員が働いています。創薬研究職が配属される場所になるでしょう。

・CMCイノベーションセンター

こちらはCMC研究職が配属される拠点です。

シオノギ製薬は上記以外にも多くの事業所を保有しています。他の製薬会社に比べて一か所に集約する等の措置をとっていない印象です。今後、長期的な目線で考えると事業所の集約があるかもしれません。

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