中外製薬株式会社(以下、中外製薬)は1943年に設立し、2002年にロシュとの戦略的アライアンス締結により大きく成長している企業です。親会社のロシュ・ホールディング・リミテッドは中外製薬(株)が発行済みの株式のうち59.89%取得しています。2019年12月31日現在、7,394名の従業員(連結)が所属しています。
グループ会社(一部)
(株)中外臨床研究センター:中外製薬の臨床開発業務の一部を担っています。
中外製薬工業(株):中外製薬の医薬品製造を担当している会社です。
(株)中外医科学研究所:医薬品の研究業務の一部、研究用施設等の管理業務をおこなっています。
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1. 業績
中外製薬の過去5年間の売上高・営業利益・営業利益率を示しています。
中外製薬は2019年度は7000億円近くに達しており、ここ5年で大きく成長していることが分かります。さらに、高い営業利益率も中外製薬の特徴で、2019年度に営業利益は2000億円に達しています 。
地域別の売上を上記に記載しています。日本の売上は74%で大部分を占めており、次いでスイスの23%です。戦略的アライアンスを締結しているエフ・ホフマン・ラ・ロシュ・リミテッド社がスイスの企業であるため、医薬品の輸出先としてスイスの割合が高くなっています。
2. 製品
日本の主力製品を上記にまとめています。
リツキサン、エディロールは後発医薬品が参入していますが、他の製品は審査機関終了日が先であり、後発医薬品の発売はないでしょう。そのため、中外製薬の主力製品は今後も安定的に売上を出せるでしょう。
ここ5年に上市した製品をまとめました。
5年間の上市品をみると、6製品のうちロシュ社からの導入が5製品、自社開発品が1つとなっており、ロシュと結んだ戦略的アライアンスの影響がかなり大きいと感じます。
2020年に発売したエンスプリング(一般名:サトラリズマブ(遺伝子組換え))は国内メーカーで自社開発している企業が少ないバイオ医薬品です。中外製薬はロシュ品のおかげで技術的・予算的にも難易度が高いバイオ医薬品の研究開発に集中できたのでしょう。
3. 特徴
中外製薬はロシュとの戦略的アライアンスにより日本市場におけるロシュ品の医薬品事業会社でもあり、中外製薬で創薬した医薬品の販売もおこないます。(ロシュ社が有する開発候補品の日本における開発・販売について中外製薬に第一選択権を付与する契約であるため、必ず中外製薬が販売するわけではありません。)ロシュ品の販売により安定的な売上を見込めることもあり、創薬研究に集中投資ができます。
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4. 採用・勤務地
中外製薬の2021年度新卒採用では研究職・開発職・MR職を募集していました。
MR職は全国の営業所の勤務です。
・本社
本社に所属される職種は開発職の方になります。
・富士御殿場研究所/鎌倉研究所
富士御殿場研究所と鎌倉研究所は創薬研究をおこなっている拠点です。
従業員は富士御殿場研究所、鎌倉研究所ともに約300で同程度の規模となっています。
・浮間研究所
浮間研究所は製薬研究、エンジニアリング職の方が配属されます。
浮間工場が隣接しているため協力した業務もあるでしょう。
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