エーザイ株式会社(以下、エーザイ)はヒューマンヘルスケア(hhc)を理念に掲げている製薬会社です。1941年に設立し、2021年3月現在、従業員は連結で11,237人、単体では3,005人です。
エーザイのグループ会社(一部)
EAファーマ(株):2016年にエーザイグループと味の素グループを統合し発足された、消化器領域特化型のスペシャリティ・ファーマです。
株式会社カン研究所:「医薬品の探索研究および生命科学に関する研究」すなわち、創薬研究を業務としておこなっている会社です。従業員は2020年4月1日現在、64名です。
※その他として物流を扱う会社や造影剤を扱っている会社等があります。
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1. 業績
エーザイの売上は2015年度から2019年度までの5年間は成長傾向でしたが、2020年度は薬価合改定の影響もあり減少しました。営業利益率もここ数年増加傾向にありましたが、日本や米国で「デエビゴ」の上市や「アデュカヌマブ」の承認を想定した上市準備及び「レンビマ」への積極的な資源投入により2020年度は大きく減少しました。
セグメント別の売上状況を記載しました。各国の売上は医療用医薬品の売上を示しています。日本は40%のシェアを持っており、一番大きい市場となっており、次いで、アメリカス、中国となっています。エーザイは日本市場をメインにしていますが、海外展開も順次おこなっていることがグラフから分かります。
3. 製品
日本の主力製品を上記にまとめています。2020年度における日本の売上が2,319億円であり、主力製品から考えると、エーザイの売上は分散されていることが分かります。リリカやアリセプトのジェネリック医薬品参入によって売上の減少が見込まれますが、会社が傾くほどの痛手にはならないでしょう。
過去五年にエーザイとその関連会社が発売した医薬品の一覧を上記に示しています。EAファーマ(株)が2017, 2018年に3剤、エーザイが2016, 2020年に3剤発売しています。また、自社創薬品の多さからエーザイの研究開発力の高さが伝わります。
4. 特徴
エーザイは早期退職や治験の中止のニュースが大きく報道されていました。
エーザイ、早期退職に300人 予定の3倍が応募 :日本経済新聞
エーザイ、アルツハイマー薬の治験中止 残り1剤に望み :日本経済新聞
しかし、業績を分析してみるとここ5年では業績が成長していることが分かります。
更に、製品別売上をみても売上を一つのクスリに頼っていることもなく、新薬の発売もおこなっています。2001年に世界の医薬品メーカーのランキング(IMS)でトップ20社入りを果たした時と比較するとランキングは落ちていますが、今後、業績が大きく傾くようなことはないでしょう。
エーザイはバイオ医薬品の承認実績がありません。現在開発中である「アデュカヌマブ」はバイオ医薬品であり申請できれば大きな一歩となります。
※2021年6月にアメリカで条件付き承認を取得しました。条件付き承認ということで、今後の動きに注目です。
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5. 採用・勤務地
エーザイの2021年度新卒採用における募集職種は創薬研究職、データサイエンス職、臨床開発職、生産管理・技術職、MR職/MSL職、PV職/PMS職です。
・本社
本社に配属される職種は臨床開発職、MSL職、PV職/PMS職です。
本社では1100名近くの従業員が働いています。
・川島工園
エーザイ(株)の製造拠点で、製剤を製造しています。配属される職種は生産管理・技術職です。
・筑波研究所
エーザイ(株)の研究拠点です。創薬研究職、データサイエンス職が配属されます。約300名が働いており、大規模な拠点となっています。
・鹿島事業所
原薬製造の拠点となっています。生産管理・技術職に所属する人が働いています。
エーザイの製造拠点は川島工園と鹿島事業所の2拠点ですが、原薬と製剤の製造所ということで区分分けされています。そのため、生産管理・技術職の場合、原薬と製剤どちらに関わってくるかで所属する場所が変わります。
エーザイは工場を子会社として持っていません。そのため、技術職が製造や試験に携わる業務に従事することになるでしょう。
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