武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)は世界トップ10に入る製薬企業です。1781年に創業し1954年にアリナミンを発売、DDS製剤である「リュープロレリン」を開発、現在では世界的な製薬企業となりました。従業員は2019年3月時点で単体として5,291名、連結として49,578名です。
武田医薬品のグループ会社(一部)
武田コンシューマーヘルスケア(株):OTC医薬品を製造販売している会社です。2020年8月に武田コンシューマーヘルスケアを米投資ファンド大手ブラックストーン・グループに売却すると報道がありました。(武田、大衆薬売却を正式発表 米ファンドに2420億円 :日本経済新聞)そのため、来年度以降は別の組織となります。
武田テバファーマ(株):後発医薬品の販売・製造をおこなっています。しかし、ジェネリック事業の一部を売却を2020年7月に発表し(2020 | ニュース | 武田テバ(武田テバファーマ株式会社:武田テバ薬品株式会社)、経営戦略の見直しを計っています。
天藤製薬(株):ボラギノール®で有名な痔疾用薬の製造・販売をしています。
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1. 業績
2015年度から5年間の売上高、営業利益、営業利益率を示しています。2015年度は米国での薬害訴訟に起因する損失が起きたため、営業利益が赤字となっています。2019年度はシャイアー社買収によって売上高が大きく伸びています。
シャイアー社を買収する前の4年間は売上高が約1兆7000億円と安定していました。シャイアー社の買収により、売上高は2倍程増加しています。今後は人員の整備等によってより効率的な経営を目指すでしょう。
※その他地域は中東、オセアニア、アフリカを含みます。
地域別売上を上記のグラフにまとめました。日本の売上は27%で米国の40%に次いで二番目です。このグラフから武田薬品工業がグローバル展開している会社ということが分かります。
2. 製品
武田薬品で主力製品としているうち500億円以上売り上げている製品と売上高、開発した会社をまとめました。
主力製品を見るとシャイアー社で開発された製品が多いことが分かります。次いで、2008年に買収したミレニアム社の貢献が大きいことが分かります。
3. 特徴
一般的な国内医薬品メーカーの戦略は、新薬候補となる化合物やクスリを他社から導入し承認まで持っていく方法ですが、武田薬品工業は会社ごと買ってしまうという戦略のようです。この戦略は会社ごと買うため、役割が重なった部署が発生し、定期的に組織を整理していく必要があります。武田コンシューマーヘルスケア(株)が米の投資ファンドに売却されたのも今後の戦略と一致していない部署であったことため売却したと考えられます。
現在、武田薬品の社長は2015年よりクリストフ・ウェバー氏であり、社風が大きく変わったという報道もあります。シャイアー社件のように買収には多額の資金が必要ですが、今まで弱みであった部分が補われることも事実です。買収をはじめとする経営方針は後になってからでないと成功か失敗かは分かりません。上市された製品に関わる部署の人からすると、大型新薬が一気に入ってくるためやりがいを感じるでしょう。良くも悪くもこれが武田薬品工業(株)の独特な特徴を生み出しているのかもしれません。
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4. 採用・勤務地
武田薬品工業で2021年度新卒採用で募集していた職種は研究職、研究技術職、開発職、総合職、技術研究職(ワクチン)、生産技術職です。
総合職はMRのことを表し全国の営業所に配属されます。
・本社(大阪)
大阪にある本社です。ここは開発職の方が配属されます。
・湘南研究所
湘南研究所は研究設備があることから研究職の人が勤務する場所です。従業員は約600名所属しています。
・大阪工場
大阪工場は医薬品の製造サイトです。ここでは、生産技術職の配属候補地です。
・光工場
光工場は武田薬品としては日本で一番大きい工場で、従業員は約700人です。
こちらでは生産・研究設備があることから研究技術職、研究技術職(ワクチン)、生産技術職が所属する場所になるでしょう。
武田薬品工業(株)は工場を二つ持っています。昨今、工場を一か所に集約している会社が多い中、二つの拠点で製造を続けています。現在も高い売上を持っている&特殊な製造機器での製造が必要との理由で製造が続けれれていると考えられます。
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