製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方向けに、製薬業界や職種紹介をしているブログです。製薬業界のCMC(Chemistry,Manufacturing and Control)と呼ばれる分野で働いていますので、工場や製剤研究の立場から製薬業界を語っていきます。 就職活動は学生から社会人になる大きなイベントです。学生の立場ではいくら説明を聞いてもイメージできないことが多いのではないでしょうか。就職活動で業界研究・職種研究をすることで、入社後のギャップを少しでも無くすことができま

【製薬企業研究】第一三共株式会社

1. 会社情報

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第一三共(株)はCMでおなじみの第一三共ヘルスケア(株)やジェネリック医薬品を製造・販売している第一三共エスファ(株)などの会社の親会社です。

 

第一三共(株)のグループ会社について下記にまとめました。

第一三共(株):医療用医薬品(新薬)の研究開発、製造、販売

第一三共ヘルスケア(株):OTC医薬品の研究開発、製造、販売

第一三共プロファーマ(株):医薬品の製造

第一三共ケミカルファーマ(株):医薬品原薬の製造

第一三共バイオテック(株):ワクチンの研究開発・製造

また、グローバルにも拠点がある大きな製薬会社になります。

 

2. 売上

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2015年度から2019年度までの売上高、営業利益、営業利益率を示しました。

売上高はここ5年9000億円以上と安定しています。また、営業利益率も9~15%で営業利益率の観点からも会社が安定していることが分かります。

 

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地域別の売上を比較すると日本が62%を占めており、北米、欧州と続いています。日本の売上高から考察できるのはやはりグローバルに進出していても日本を大事にした戦略がおこなわれていることです。

日本のセグメント別売上を見てみると医療用医薬品が88%を占めており、第一三共(株)を支えている事業であることが分かります。CMでおなじみの第一三共ヘルスケア(株)がおこなっているヘルスケア産業は二番目の11%です。他社も含め、OTC医薬品は医療用医薬品と比較して売上が小さくなります。そのため、知名度の割にはシェアが少ないというイメージではないでしょうか。

 

3. 製品

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日本市場で2019年度に100億以上売上げている製品をピックアップしました。

2019年度に100億円以上売上げている製品は14製品でした。また、参考情報として再審査期間の終了日を載せています。再審査期間が終了しないとジェネリック医薬品は販売されないため、独占的に販売できる期間と考えていいでしょう。ただし、特許等で独占的に販売できる期間が延びている場合もあります。

第一三共(株)の売上上位に占めている製品は再審査期間の終了日もまんべんないことから、ジェネリック医薬品の参入によって、一気に売上が落ちるようなこともなく安心できることが推察されます。さらに、第一三共エスファ(株)がAG(オーソライズジェネリック)を発売するため、第一三共(株)の発売している先発医薬のがシェアが他社に奪われることを防いでいます。

 

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上記の表はここ5年で発売されたクスリを表しています。

第一三共(株)は毎年いくつか製品を出しており、成長し続けていることが分かります。剤形追加も積極的におこなっており、CMCの部署(製剤研究・分析研究)では多くの経験ができるのではないでしょうか。また、バイオ後続品(バイオシミラー)にも参入していることも分かります。

 

 

4. 特徴

第一三共(株)の強みは毎年新製品を発売している研究・開発力です。さらに、ここ数年で発売されている「エンハーツ」や「ヴァンフリタ」、「イナビル」、「タリージェ」は自社創薬品であり、しっかりとした研究基盤があることが分かります。

 

第一三共グループの製剤工場は国内では平塚のみであり、製品数や会社の規模から考えると少ないと考えられます。そのため、製造を委託している製品も多いのではないでしょうか。

 

5. 採用・勤務地

第一三共株式会社の募集職種は以下の6種です。

MR職・研究職・データサイエンス職・開発職・安全情報管理職・コーポレートスタッフ職

 

MR職は全国の営業所、安全性情報管理職とコーポレートスタッフ職は日本橋、データサイエンス職と開発職は品川、研究職は品川・葛西・平塚・館林のいずれかになります。

 

研究所の候補は多数ですが、品川が第一三共の研究開発の拠点となっていることもあり、配属される可能性は高いでしょう。

 

館林はバイオ医薬品に関わる業務の場合に配属される場所でしょう。

 

平塚は製造を担っている第一三共プロファーマと隣接した場所にあり、CMC関係の部署があるものと思われます。

 

上記の配属場所についてはあくまで予測ですので、説明会や懇談会を通して社員の方に直接聞いてみてください。