製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方向けに、製薬業界や職種紹介をしているブログです。製薬業界のCMC(Chemistry,Manufacturing and Control)と呼ばれる分野で働いていますので、工場や製剤研究の立場から製薬業界を語っていきます。 就職活動は学生から社会人になる大きなイベントです。学生の立場ではいくら説明を聞いてもイメージできないことが多いのではないでしょうか。就職活動で業界研究・職種研究をすることで、入社後のギャップを少しでも無くすことができま

バイオシミラー(バイオ後続品)ージェネリック医薬品との違い

「バイオシミラー」はバイオ医薬品の後続品として知られていますが、「ジェネリック医薬品」との違いを説明できない人も多いのではないでしょうか。

 

今回は「バイオシミラー」について解説していきます。

 

1. バイオシミラーとは

双子のイラスト(男性)

バイオシミラーとはバイオ医薬品の後続品です。 特許・再審査機関が満了した先発品と同等・同質の品質、安全性及び有効性を有するもので、低分子医薬品のジェネリック医薬品と同様に先発品よりも安価で入手できます。しかし、ジェネリック医薬品と異なり申請資料に臨床試験のデータが必要とされます。

 

ここまでの情報はよく知られていると思います。そこで、なぜジェネリック医薬品と言わないかについて考えていきます。

 

2. ジェネリック医薬品との違い

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低分子医薬品はAPIの構造が同一と判断できるが、バイオ医薬品はAPIの構造が同一であると化学的に立証できないからです。

 

低分子医薬品では一部の官能基が異なると活性が大きく異なることが予測されますが、バイオ医薬品の場合大きな構造の一部が変わっても活性に変化がない場合が考えられます。これを目的関連物質と呼び、有効成分に含めます。

 

バイオ医薬品はバイオテクノロジーを利用した製造をしており、生産ロットごとに不均一なものが産生されます。バイオ医薬品はこの不均一さのパターンを明らかにしているため、同一のセルバンクによって造られる有効成分は医薬品として承認されます。

 

後発医薬品の場合、先発医薬品と同一のセルバンクから産出しないため、ロットによる不均一性のパターンを示し、有効性及び安全性を検討し、臨床試験で示す必要があるのです。

 

www.seiyakunomichi.com

 

3. バイオ医薬品の参入

新薬、ジェネリック医薬品、バイオシミラーにはそれぞれ日本製薬工業協会、日本ジェネリック製薬協会、日本バイオシミラー協議会という協会があります。下記にその協会に登録している会社数を記載しました。

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ジェネリック製薬協会と比較して日本バイオシミラー協議会は半数であり、参入している会社の少なさが分かります。

 

バイオシミラー(バイオ医薬品)は低分子医薬品とは異なる分析器が必要で、新規の分析機器を揃えるには膨大な設備投資が必要です。また、臨床試験も必要であり、ジェネリック会社には持ち合わせていないノウハウも必要とします。これらの理由からジェネリック医薬品の業界からしても参入が容易でないことが分かります。

 

 

4. まとめ

バイオシミラーはジェネリックとは違うのは知られているが何が具体的に違うのかというのは知らない方もいたのではないでしょうか。低分子と違い、バイオ医薬品は同一のものを製造できません。そこで、同等のものを製造し、安全性・有効性を試験する必要があるのです。バイオシミラーはバイオ医薬品同様、参入がなかなか難しい業界です。さらに、発展途上の分野でもあり、今後どのようになっていくか注目です。