「ジェネリック医薬品」という言葉はCMなどの効果もあり理解されている方が多いのではないでしょうか。
今回はジェネリック医薬品の業界について解説していきます。
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ジェネリック医薬品メーカー
ジェネリック医薬品(後発医薬品)を販売している会社はご存じでしょうか?
「東和」「日医工」「沢井」がジェネリック医薬品の3強と言われていますが、「ニプロ」や「Meiji Seika ファルマ」といった会社でも販売しています。
ジェネリック医薬品を製造・販売している会社を知りたい方は日本ジェネリック製薬協会の会員会社のページを参照してください。
ジェネリック医薬品のシェア
現在、ジェネリック医薬品は出せば売れるといった状況ではなくなってきました。
下記は過去7年間のジェネリック医薬品の数量シェアを示していますが、ここ数年は着実に成長してきたことが分かります。しかし、政府の目標が80%であることを踏まえると、今後は成長の鈍化が予想されます。
https://www.jga.gr.jp/media/material.html
医療費削減のため、ジェネリック医薬品が推奨され始めた当初は製品を出せば乗り換えてもらえることもあり、多くの会社が参入しました。しかし、昨今は出せば売れるという状況でないことから、各社それぞれが強みを活かして生き残り戦略を考えています。
ジェネリック医薬品の販売戦略
2011年にアリセプト錠(塩酸ドネペジル)の後発品として30社が参入しました。
先発医薬品メーカーは基本的に売上を一社で独占できますが、ジェネリック医薬品メーカーはこの売上を先発メーカー含め、取り合う状況です。
そのため、付加価値をつけたクスリを売り出すことが戦略が重要です。
具体的な戦略として、苦みをなくすためにクスリをオレンジやイチゴ風味にしたり、錠剤を小さくするなどがあります。
医薬品に付加価値をつける戦略は患者さんに貢献することにも繋がり、非常に重要です。しかし、昨今は市場の成長が鈍化していることから、大きな変革を各社求められています。
企業成長を続けていくための方法をジェネリック医薬品企業が模索しています。
①先発医薬品への参入
沢井製薬は先発医薬品の参入を目指しています。→沢井製薬・澤井社長 新薬、ヘルスケア領域への挑戦に意欲 GEは”一番手上市”に注力 | ニュース | ミクスOnline
②海外に進出する
東和薬品は海外進出を掲げています。→プレスリリース | 東和薬品
③製薬企業によるM&A
日医工は武田テバの後発事業を一部買収することでジェネリック業界での地位確立を目指しています。→日医工 武田テバの後発品事業一部買収 後発品486品目と高山工場を承継 内製化強化で利益改善 | ニュース | ミクスOnline
④バイオシミラー等の他分野への挑戦
ジェネリック医薬品メーカーは臨床開発のノウハウがないため臨床試験を必要とするバイオシミラーへの参入はハードルが高いかもしれませんが、今後積極的に採用する会社が出てくるのでしょう。
ジェネリック医薬品の開発
ジェネリック医薬品の共同開発において下記の記事が2020年の5月に掲載され、共同研究の情報がインタビューフォームに記載されることとなりました。
日本ジェネリック製薬協会(GE薬協)は5月20日、複数の企業で共同開発した場合、インタビューフォームを通じて医療関係者に周知する方針を決めた。同日開かれた自民党の議員連盟「ジェネリック医薬品の将来を考える会」(上川陽子会長)で報告した。
そこで、2020年の6月に薬価収載されたセレコックスのジェネリック医薬品を例にすると、19社収載された中で、共同開発をおこなっているのは何社かあり、いくつかのグループに分かれていました。
・共和薬品工業、ダイト、フェルゼンファーマ、第一三共エスファ
・サンド、ニプロ
このように各社共同開発をおこなっており、自社開発品を自社のみで販売している会社は半数以下で、同じクスリを会社名だけ変えて販売している形になっています。
また、共同開発というのは共同で研究開発をしたことも含めますが、資金の補助ということで導入・導出がおこなわれている場合もあります。
まとめ
ジェネリック医薬品のシェアを80%にという目標の元、多くのメーカーがジェネリック医薬品に参入してきました。以前は味などの付加価値をつけることで、他社との差別化をおこなってきましたが、80%を目の前にして戦略を大きく見直す会社が多くなってきています。就職活動では企業の戦略・方向性をしっかり調べていきましょう。
下記の記事ではジェネリック医薬品について(先発医薬品との違い)を詳しく解説しています。
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