品質試験は原薬・医薬品などを分析する職種です。
毎日生産される医薬品の出荷試験や新製品の技術移管と幅広い業務内容となっています。技術移管を担当する職種は生産技術となっている会社もあります。
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原薬の受け入れ試験
品質試験の業務がある場所は工場サイトであり、試験と同時に医薬品の製造を行っています。医薬品は原薬(有効成分)を人が服用できる形にしたものです。医薬品を製造してから原薬に問題があることが判明しては製造コスト・時間が無駄になってしまいます。そのため、医薬品を製造する前に原薬がきちんと規格を満たしているかの試験をします。原薬の製造サイトでも出荷時に試験をしていますが、輸送時による影響も考慮し、再度試験をおこないます。受け入れ試験で合格した原薬が医薬品製造に使用されます。
医薬品の製造における工程検査
医薬品製造で製品がきちんと造られいるかを工程検査によって確かめます。具体的には粒度分布や崩壊試験等をおこない、工程ごとに粒度や崩壊性などの物性を確かめます。医薬品の製造でトラブルが発生した際、どの工程まで製造が正しく行われたかを確認できます。医薬品の製造はロット間差をできるだけ小さくしなければいけません。品質試験の業務は試験をすることで医薬品の価値を保証し、医薬品の製造を支えます。
出荷試験
医薬品の出荷前に規格を満たしているかの試験が必要です。同じ医薬品でも出荷する国によって試験方法が異なることもあり、SOP(手順書)をチェックしながら試験しなければいけません。この試験に合格した製品のみ、世の中に流通します。
安定性試験
クスリの有効期限は最長で三年です。三年間は定期的に出荷したクスリの安定性を確認することが必要です。開発段階でクスリの安定性を試験し、有効期限を定めますが、なんらかのトラブルで市場出荷した製品が規格を外れる可能性があります。規格を外れた製品は患者さんの健康状態にも直接影響するため、安定性試験を定期的に行うことが定められています。
技術移管
新しい医薬品を製造する場合や医薬品の製造場所が変わる際、技術移管が必要となります。分析研究は技術移管元になることが主ですが、品質試験では移管先になることが主です。技術移転は製造方法・分析方法ともに必要であり、分析方法は品質試験の業務となります。その際は、移管元と同じデータがとれるかという検証が必要であり、分析バリデーションや比較試験をします。移管元と分析機器が同じとは限らないため、同じデータが出ない場合は原因の検証が必要であり、堅牢的な試験方法を移管することが重要です。
まとめ
品質試験の業務は実際に手を動かし、実験することです。この際、書類上ではわからないノウハが身に付きます。キャリパスとしては品質管理、薬事などがあります。実務経験を身に着け、現場の人しか分からない経験を活かすことは個人の強みになるでしょう。
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