製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方向けに、製薬業界や職種紹介をしているブログです。製薬業界のCMC(Chemistry,Manufacturing and Control)と呼ばれる分野で働いていますので、工場や製剤研究の立場から製薬業界を語っていきます。 就職活動は学生から社会人になる大きなイベントです。学生の立場ではいくら説明を聞いてもイメージできないことが多いのではないでしょうか。就職活動で業界研究・職種研究をすることで、入社後のギャップを少しでも無くすことができま

医薬品の分類~先発医薬品・後発医薬品・一般用医薬品~

医薬品は大きく「医療用医薬品」と「一般用医薬品」に分類することが出来ます。さらに、「医療用医薬品」は「先発医薬品」と「後発医薬品」に分けることが出来ます。これらの分類によって、申請に必要な項目やセールスの仕方が異なってきます。そのため、上記の医薬品の分類によって分社化や部署編成をしており、効率の良い医薬品の開発、セールスを各社おこなっています。今回はこの分類について詳しく解説していきます。

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1. 先発医薬品

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先発医薬品は新薬のことであり、世に出ていなかった新しい薬です。つまり、今まで人が服用したことのない化合物であり、安全性のデータが要求されます。そのため、薬物動態試験、薬効・薬理試験、毒性試験とヒトで試験する臨床試験のデータが申請に必要です。

先発医薬品は海外で開発されたものが多く、同時期に発売します。国内メーカーの自社開発品であるものは少ないです。海外で開発されたものということで、規格等が海外基準になっているものが多く、日本の規制に準拠するように変えなければいけない部分もあります。

 

新薬は世界における一つのマーケットということで導入する場合は、海外で設計されたものを日本人に合わせた開発をしていく必要があります。当然、コミュニケーションツールとなる英語は必須です。

 

2. 後発医薬品

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後発医薬品はいわゆるジェネリック医薬品です。近年、バイオ医薬品の後発医薬品としてバイオシミラーというものも存在します。ジェネリック医薬品とバイオシミラーは共に先発医薬品と同等性が立証された医薬品であり、先発医薬品よりも安価で購入することが可能となっています。

 

ジェネリック医薬品は先発医薬品の特許が切れた後に発売できます。特許が切れる時期は調査すればわかるため、売上が見込めるものは多数の原薬メーカーが原薬を製造します。この原薬メーカーの動向を調べ、取引し、ジェネリックメーカーが製剤化します。先発医薬品と比較して、合成・薬理の研究者や臨床開発職を必要としないため、規模が小さくとも市場に参加することが可能です。ただし、競合する会社の数は多く、将来的には再編されていく可能性も充分に考えられます。

 

後発品の薬事規制や戦略は各国によって大きく異なるため、日本の会社が海外に進出することは苦労しています。そのため、開発はあくまで国内用ということになります。

 

ジェネリック医薬品、バイオシミラーの説明は下記の記事にておこなっていますので確認してください。

www.seiyakunomichi.com

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3. 一般医薬品

大きめの薬局・ドラッグストアのイラスト

一般医薬品はOTC(Over The Counter)医薬品とも呼ばれ、ドラッグストアーで買える処方箋が無くても買える医薬品のことです。新しい有効成分を含むものや、今までのものと投与経路になるもの以外は臨床試験が必要とされません。

一般用医薬品は消費者が商品を選べるため、他社製品より「効果がありそう」や「使いやすい」、「安心」等のポジティブなイメージをつけることが重要です。そして、一般医薬品は広告をすることが認められているため、有名な芸能人を起用して商品価値を上げるイメージ戦略も重要となります。

 

一般用医薬品は医療用医薬品よりも他分野(化粧品や日用品等)の開発・マーケティング戦略に近いのかもしれません。

 

4. まとめ

医薬品といっても様々な種類があります。分類によって業務内容も大きく変わってきます。特に研究・開発業務は取引する相手や開発フローが大きく異なります。クスリといっても上記の分類で業務内容が大きく変わるため、基本的に会社をグループ会社として分け、業務の分担をしています。自分が受ける会社がどこに分類するかしっかり調べておく必要があります。