製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方向けに、製薬業界や職種紹介をしているブログです。製薬業界のCMC(Chemistry,Manufacturing and Control)と呼ばれる分野で働いていますので、工場や製剤研究の立場から製薬業界を語っていきます。 就職活動は学生から社会人になる大きなイベントです。学生の立場ではいくら説明を聞いてもイメージできないことが多いのではないでしょうか。就職活動で業界研究・職種研究をすることで、入社後のギャップを少しでも無くすことができま

【製薬企業】会社の特徴~企業研究の分析ポイント~

企業研究をしていて、会社について具体的にイメージ出来ていない就活性の方も多いのではないでしょうか。売上や製品を見てもなんとなくしかイメージできないこともあるかもしれません。しかし、同じ会社というのは一つもありません。言われると当たり前かもしれませんが、見るべきポイントを解説していきます。

 

 

1. 医薬品の種類

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医薬品には一般用医薬品(OTC医薬品)医療用医薬品に分類されます。さらに医療用医薬品は先発医薬品(新薬)後発医薬品(ジェネリック医薬品)に分かれます。

同じ医薬品でも、分類が異なると申請に必要な書類、戦略などが異なるため、一つの会社で全てをおこなう会社は少なく、分社化もしくは部署で分けていることが多いです。転職の際に医薬品の分類によって業務内容も異なるため、直接活かせないノウハウもあります。

先発医薬品は1000億円以上売り上げるブロックバスターというものがあります。先発医薬品はこのような医薬品がほぼ1社で独占的に販売でき、年間1000億円が会社の収益となるわけです。しかし、特許が切れ、後発医薬品が参入するとこの独占的に販売できる期間が終わってしまいます。ブロックバスターのように収益の大きい医薬品は20社ほど後発医薬品として参入しシェアを、獲得できるように競争します。後発医薬品の場合、薬価は半分となるため、単純に計算すると500億円の市場を20社で競争し、売上が25億円になってします。近年はAG(オーソライズドジェネリック)も登場し更にこの競争が厳しくなっています。

 

一般用医薬品の場合は医療用医薬品と異なりテレビや新聞等で広告を出すことができます。この宣伝広告費が商品の価格に必要であり、商品の利益率も医療用医薬品とは異なることが分かります。

 

このように一言で医薬品と言っても全く異なるビジネスモデルを必要とします。その中で、自分がどの医薬品に関わっていきたいのかをしっかり考えることが必要です。

 

2. 剤形

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「クスリ」と聞いて皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。多くの方は錠剤を浮かべたのではないでしょうか。「クスリ」は錠剤のほかに、注射剤、シップ剤、軟膏剤など様々な剤形をしたものがあります。

剤形により製造方法も異なるため、一つの製造所で全ての「クスリ」を造ることはできません。例えば、錠剤・顆粒材・散剤は基本的に同じ機械で造ることができますが、錠剤と注射剤、貼付剤は同じ機械で造ることができません。

製造所の勤務を希望する場合はメインの剤形を確認し、自分が何を造っていくかイメージすることも重要です。研究所の場合も、自分のやりたい剤形の研究ができる設備があるかの確認は必須です。

 

剤形の詳細は下記の記事を参考にしてください。

www.seiyakunomichi.com


 

3. 導入品

近年では新薬を上市できる確率は3万分の一といわれています。そのため、自社開発品のみで成り立っている会社はありません。そんな時の手段が導入です。導入は海外で上市されている医薬品の国内販売権を譲渡してもらう契約などです。ある会社の主力製品が実は導入品であるというのも珍しくありません。特に注射剤・点眼剤などは無菌の施設が必要であることから、自社開発品でなかったり、製造を委託していることがあります。

導入と言っても開発初期からの導入と後期の導入では契約に必要な資金も異なります。会社の導入戦力を分析することは難しいですが、販売品=自社開発品ではないということを頭の片隅に入れておきましょう。

 

剤形の詳細は下記の記事を参考にしてください。

www.seiyakunomichi.com


 

4. まとめ

会社の特徴は必ずあります。

雰囲気は勿論ですが、販売している医薬品の分類や得意領域、製造できる剤形がそれにあたります。

「会社の主力製品=開発や製造をしている」と考えてしまうかもしれませんが、導入や委託ということも十分に考えられます。そのため、企業について下調べをすることが重要です。ESで頓珍漢な事を書いてしまうと会社について分っていないと判断されてしまいます。

 

悔いのない就職活動を頑張ってください!!