就職活動の企業分析で重要なことは時間をかけすぎないことです。
エントリーシートや面接で会社の理解を問われることはありません。あくまでやりたいことを実現できる会社という自分自身のアピールに使う程度です。
企業研究は志望職種の軸が決まった後にすることをお勧めします。希望職種が決まれば企業の理解も一部で済みます。
職種の解説は他の記事を参考にしてください。
就職活動における企業研究で重要なことは業界ランキングや株価ではなく事業内容です。
医薬品の製造販売のみでなく、「医薬品とはどんな種類?」や「医薬品にどのように関わる?」これらの問いに答えられる事業内容であり、業界での順位や平均年収はあくまで自分の興味で調べる項目です。事業内容を深掘りすると企業の強みも見つけられるでしょう。
また、今後のキャリア形成で「転職」を考える人は多いでしょう。「転職」時に要求されるのはバックグラウンドやスキルであり、下記のような事業内容が異なる転職はスキルが発揮できないと感じられる可能性もあります。
・一般用医薬品の業務⇒医療用医薬品の業務
・貼付剤の業務⇒注射剤の業務
一概に異分野への転職ができないわけではありませんが、将来設計を考える上で企業分析は重要です。今回、企業分析を効率よくおこなえるように基本的な項目を解説します。
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医薬品の種類
医薬品には一般用医薬品(OTC医薬品)と医療用医薬品に分類されます。さらに医療用医薬品は先発医薬品(新薬)と後発医薬品(ジェネリック医薬品)に分かれます。
同じ医薬品でも、分類が異なると申請に必要な書類、戦略などが異なるため、一つの会社で全てを実施せず、分社化もしくは部署で分けることが多いです。転職の際に医薬品の分類によって業務内容も異なるため、直接活かせないノウハウもあります。
一般用医薬品の場合は医療用医薬品と異なりテレビや新聞等で広告を出すことができます。この宣伝広告費が商品の価格に必要であり、商品の利益率も医療用医薬品とは異なることが分かります。
剤形
「クスリ」と聞いて皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。多くの方は錠剤を浮かべたのではないでしょうか。「クスリ」は錠剤のほかに、注射剤、シップ剤、軟膏剤など様々な剤形をしたものがあります。
剤形により製造方法も異なるため、一つの製造所で全ての「クスリ」を造ることはできません。例えば、錠剤・顆粒材・散剤は基本的に同じ機械で造ることができますが、錠剤と注射剤、貼付剤は同じ機械で造ることができません。
製造所の勤務を希望する場合はメインの剤形を確認し、自分が何を造っていくかイメージすることも重要です。研究所の場合も、自分のやりたい剤形の研究ができる設備があるかの確認は必須です。
導入品
近年では新薬を上市できる確率は3万分の一といわれています。そのため、自社開発品のみで成り立っている会社はありません。そんな時の手段が導入です。導入は海外で上市されている医薬品の国内販売権を譲渡してもらう契約です。ある会社の主力製品が実は導入品であるというのも珍しくありません。特に注射剤・点眼剤などは無菌の施設が必要であることから、自社開発品でなかったり、製造を委託していることがあります。
導入といっても開発初期からの導入と後期の導入では契約に必要な資金も異なります。会社の導入戦力を分析することは難しいですが、販売品=自社開発品ではないということを頭の片隅に入れておきましょう。
CRO・CMO・CSO
医薬品の関わり方も様々です。近年では製薬会社のスリム化によって一部の業務を委託することが多くなっています。技術職を目指している方はメーカーだけでなく、これらの委託会社も候補に入れるといいのでしょう。
まとめ
会社の特徴は必ずあります。
雰囲気は勿論ですが、販売している医薬品の分類や得意領域、製造できる剤形がそれにあたります。
「会社の主力製品=開発や製造をしている」と考えてしまうかもしれませんが、導入や委託ということも十分に考えられます。そのため、企業について下調べをすることが重要です。ESで頓珍漢な事を書いてしまうと会社について分っていないと判断されてしまいます。
悔いのない就職活動を頑張ってください!!
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