製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬業界や企業について紹介しているブログです。製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方の目線で解説しています。

【医薬品】導入品・導出品とは

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新薬開発の成功確率が三万分の一といわれている昨今、新薬を自社のみでおこなうのは簡単なことではありません。そこで、製薬企業がベンチャー企業から医薬品化合物を買ったり、海外企業との販売権の売買などをすることで、自社にとって効率の良い収益化をおこないます。そこで、今回は導入品・導出品とは何かを解説していきます。

また、導入・導出の際には製造販売元等の役割も決めます。そこで、製造販売元や製造元、販売元の役割についても解説します。

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導入品

導入品とは「他社から発売権利や開発権利を受けた医薬品または医薬品候補化合物」を示します。国内の企業同士で権利のやりとりをする場合や海外で発売、臨床試験がされている医薬品を国内の販売網を持っている企業が買うことが多いです。

 

具体的な例は下記の通りです。

・海外企業がしている国際共同治験で日本の地域を担当し、治験が成功し、クスリが承認されれば販売も担当する

・海外で上市されている医薬品を国内で開発・販売する権利を買い取る

・MRなどの販売網がないベンチャー企業から医薬品の販売権を買い取る 

 

このような権利を買い取る際は大きなお金が動きます。

また、売上の一部を継続的に払うこともあるため、自社開発品より利益が少なくなります。

 

承認前の医薬品では承認の可能性を含め、薬物動態・臨床の結果・製剤の安定性・日本の法規制、承認後の売上予測など様々な観点から導入可否を判断します。

 

導出品

導出品とは「他社に発売などの権利を売る医薬品・医薬品候補化合物」を示します。開発費用がかかる(特にP3)や自社で販売網を構築できていないなどの理由で、他社に権利を売ることがあります。ベンチャー企業などは導出することが前提の会社であり、マージンを得ることで成長していきます。このように導出ありきで研究・開発を進めている会社は、導入先に売り込むための営業も存在します。上市後は医薬品の製造までを導出元がおこない、販売を導出先がおこなうという契約もあります。

 

具体的な例は以下の通りです。

・国内で承認申請された医薬品を、得意領域を持っている他社に売る

臨床試験にお金がかかるため、大きな企業に開発・販売の権利を売る

・海外では販売網が無いため、現地の製薬会社に販売権利を売る

 

製造元・販売元・製造販売元

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導入・導出をする際はお互いの役割をしっかり決定し、実行します。

その役割を示すのが「製造販売元」「製造元」「販売元」で、添付文書やインタビューフォームにも記載されています。

 

「製造元」は製品の製造を担当している会社です。

「販売元」は製品の販売を担当している会社です。

「製造販売元」は製品管理の責任者です。「製造販売元」と「製造元」が異なる場合は「製造販売元」の管理のもと「製造元」で製品を製造しているとされています。

 

クスリを検索してみると「製造元」「販売元」「製造販売元」が異なる製品は多々あります。各会社のつながり等も見ることができるので、参考にしてください。

 

まとめ

「導入品」「導出品」は同じもので見る方向によって名前が異なります。

医薬品の開発が難しい昨今では、自社開発品というのは少なくなってきています。一番利益率は高いのは自社開発品ですが、うまく導入品をいかして会社を経営していく戦略もあります。医薬品の開発が難しくなっている昨今、今後もこの手法は増えていくのでしょう。

 

また、「製造販売元」が承認を取得した医薬品の管理者になります。医薬品の製造方法の変更や異物等が発生した際は、「製造元」ではなく「製造販売元」がコントロールする必要があります。

希望している会社はどの役割に携わっているか調べておきましょう。

www.seiyakunomichi.com

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