製薬業界への道~技術職からの業界研究~

製薬業界や企業について紹介しているブログです。製薬企業の技術職(研究職・生産技術職・品質試験職)を目指している方の目線で解説しています。

医薬品の製造方法【経口固形製剤】

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「クスリ」と聞いたとき、皆さんは何を想像しますか?

 

多くの方は、錠剤(経口固形製剤)ではないかと思います。

2018年の医薬品剤形分類別生産金額を割合を調べると錠剤が約半数を占めており、よく知られた剤形であることが分かります。

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今回はその錠剤(経口固形製剤)の製造工程を解説していきます。

製剤研究職や生産技術職、製造職を目指す人は業務となる可能性があるため、参考にしてください。

 

固形製剤の製造工程は次の通りです。

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注射剤の製造方法については下記の記事で解説しています。

www.seiyakunomichi.com

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秤量

体重測定のイラスト(学校の健康診断・男の子)

原薬を含む原料をそれぞれ秤量します。

 

造粒

上記の動画のように造粒は粉末状態の原料を粒にする工程です。

造粒方法には攪拌造粒法・流動層造粒法・押出造粒法などがあります。

 

造粒は流動性の向上や均一化など様々な利点があります。しかし、水を使用した造粒では乾燥工程も必要なため、製造工程が増えるなどの欠点もあります。

 

日本では高品質を目指すため造粒工程を入れた製造方法が多い一方、海外ではコスト・効率を重視し、造粒工程を含まない方法(直打法)もあります。

近年では原料メーカーも直打用の添加物(流動性の良い製品)を開発しており、技術の進歩により日本でも直打法が増えてくるかもしれません。

 

また、造粒機器の工夫によって製剤的な特徴を出すこともできます。下記はカプセル剤の例ですが、一日二回服用が必要であったクスリをコーティングすることで、一日一回の服用にすることも可能です。この技術はOTC医薬品にも利用されており、身近な技術となっています。

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混合

混合工程では造粒した原料に滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリ ウムなど)を加え、打錠した際に、錠剤になるような物質を加え混合する工程です。

混合機はいくつか種類がありますが、混合するという意味で原理は同じです。

 

打錠

打錠工程はこれまでの粉や粒であった原料をクスリの形(錠剤)にする工程です。

打錠工程では、臼に粉を敷き詰め、杵(上杵・下杵)を用いて上下から圧力をかけ、錠剤の形にします。杵は円盤上にいくつかセットされ円盤を回転させることで、打錠し、大量生産をします。

錠剤にした後は、重量・厚み・硬度などで検査し、正しく製剤が製造できているかを確認します。

 

ここで、造粒工程やその他の工程で粉体がしっかり出来上がっていない場合、スティッキングやキャッピングなどの打錠障害が起きてしまいます。そのため、これまでの工程でしっかり目的の粉体を作り上げておくことが大切です。

 

コーティング

打錠によって成型した錠剤のまわりをコーティングする工程です。

打錠後の錠剤をコーティング機に入れ、ドラムを回転させ、コーティング液をスプレーすることによって、徐々にむらなくコーティングしていきます。

 

コーティングによって錠剤を物理的(摩損)・化学的(熱・光)特性から守る役割をもたせます。

 

昔は糖衣錠が主流でしたが、今は簡便にできるフィルムコーティングが主流です。

 

包装

工場見学のイラスト

 包装は一次包装・二次包装に分類されます。

一次包装:コーティング工程を終えたクスリ(バルク)の包装。PTP包装はこれにあたります。

二次包装:一次包装された製品の箱詰め工程のこと。

  

まとめ

錠剤の製造工程を解説していきました。

 

医薬品の製造機器は機器メーカーによってそれぞれ特徴があります。そのため、基礎検討や中スケールでクスリの製造方法を完璧に作りこんだとしても、実生産の機器に対応できないこともあるでしょう。先発医薬品の場合、原薬・原料の特性のため特徴的な製造方法・機器の改造をすることもあります。

 

医薬品の製造というのは現場の人が間違えないように製造方法を作成することも重要です。商用生産でのリスクは現場の人が他製品と違った製造方法により、作業方法を間違えてしまうことです

人間が生産に携わっている限りミスというのは起きてしまいます。特徴的な医薬品を造ることも大事ですが、他の製品と同じような作業をおこない、安定供給・高品質の医薬品を造るという面から製造方法を決めることも重要です。

 

実際の製造では各工程による分業制、そして、治験薬の製造や開発品のスケールアップなどは生産技術職による仕事でおこなわれます。

就職活動や内定をもらっている学生は将来の仕事イメージ作りに是非活用してください。

 

下記は製薬工場での働く場合の内容をまとめました。参考にしてください。

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