職種の理解は点でなく面でおこないましょう。
就活生を見ると希望職種はしっかり調べていますが、理解は浅いです。
大学の研究室配属時も「想像と違った!」という経験者は多いではないでしょうか?
なぜなら、「自分の興味のあることや知っている言葉」でしか調査できないからです。
希望職種のジャンルや関連部署を知ることは視野を広げるのに役立ちます。
この記事では製薬企業の職種概要を解説しますので、面での職種理解に役立ててください。
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はじめに
製薬会社は大きく分けて次の三つの業務内容に分類できます。
①薬の承認をとる部署
②薬を造る部署
③薬を売る部署
あなたが目指している職種も上記のいずれかに当てはまるでしょう。
それでは、この三つの仕事内容を詳しく説明していきます。
薬の承認をとる部署
会社というのは大きくする(成長すること)ことが重要であり、求められています。
そのために必要なことは新製品を出し続けることです。
新製品を販売するには当局(PMDA)の認可が必要であり、 「薬の承認をとる部署」というのは新製品の販売の許可を取得するために必要な部署です。
こちらの部署は研究、開発、品質保証、薬事、戦略などの部署が関わってきます。
「研究」は有効成分を見つけ、それを人に効くようにクスリの形にする部署です。研究職については別の記事で詳しく解説しています。
「開発」は研究によって形になったクスリを人に投与すること安全性・有効性を検証する部署です。新薬の場合、健康成人での安全性確認➡少数の患者さんでの安全性・有効確認➡多数の患者さんでの安全性・有効性の確認と段階を経て開発されます。
「品質保証」は研究や開発で出たデータが出ます。そのデータからクスリの安全性・有効性の証明をおこないます。この説明が正しくできているか、抜けがないかなどのチェックをする部署です。
「薬事」は申請に必要なデータや資料があるかを確認し、当局(PMDAなど)との対応をおこないます。基本的に会社と当局を繋ぐ役割です。
「戦略」は新製品(ポートフォリオ)の管理、導入・導出の判断などをおこないます。
薬を造る部署
薬を製造する部署であり、多くの人が工場勤務になります。
また、GMP(Good Manufacturing Practice)組織に組み込まれます。
医薬品というのは他業種よりもより厳しい基準で製造されています。
こちらの部署は製造、生産技術、品質試験、品質保証、薬事などの部署が関わってきます。
「製造」は薬を製造する部署です。手順書(SOP)を確認しながら、丁寧に造っていきます。
「生産技術」は製造方法の変更・新製品の導入を「製造」の人たちと一緒におこないます。SOP通り行えば、一定の品質の薬が造れるようにする業務をします。
「品質試験」は原薬の受け入れ試験、出荷前の試験を担当します。また、製造時に工程ごとの検査も行い、製品がきちんと造れているかのチェックをします。
「品質保証」は品質試験で行われた試験の結果をチェックし、クスリが問題なく製造できたかの確認をします。
「薬事」は製造方法・原薬の変更時の当局対応をおこないます。
薬を売る部署
会社としては薬を造っているだけでは、利益になりません。
いくら優れている薬があっても、きちんと営業しなければ競合製品にシェアを取られてしまいます。
こちらの部署は営業、MSL、ファーマコビジランス、マーケティングなどが関わってきます。
「営業」は病院や薬局で薬の説明し、自社製品の良さをアピールします。医療従事者に製品を理解してもらうことで、患者さんに利用してもらえます。
「MSL」は科学的な観点で医療従事者に情報を提供します。営業との違いは販売促進を目的とせず、公平な情報提供が必要とされます。
「ファーマコビジランス」はより薬の安全に使用してもらうために関わってくる部署です。製薬会社は薬を売ることがゴールではありません。薬が認可され、多くの患者さんが服用することで多くの知見が得られることもあります。その情報を適切に管理し、医療従事者に提供することが求められます。
「マーケティング」は市場分析・調査に基づき、患者さんや医療従事者に適した製品戦略を企画立案、実行します。
まとめ
製薬会社の職種について概要を解説しましたが、理解していただけたでしょうか。
もちろん、役割がまたがっている部署や会社によって業務が異なることもあります。
新卒で募集している職種は会社に存在する部署のごく一部であり、最初に所属した部署に定年まで所属することは少数です。
他部署に異動し新たな経験を積んでいく(ジョブローテーション)というキャリアの積み方もあります。
自分がやりたいことを軸に幅広くキャリアプランを考えてください。
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